自社あるいは自部門において、現在のビジネスが厳しい経営環境にあることは認識している。競合他社の動向を見ても当社に事業の変革が必要なことは明らかである。そのような状況において、経営幹部や事業部門のトップには自社も変わらなければと焦りが生じていることが推察される。
そこで、新事業創生が必須だと考えられている経営幹部に、ご自身が気づかれにくい「進まない原因」の一例をご紹介する。
新たなプロジェクトへの参加は、従業員にとって刺激的な機会となることが多い。しかし、これが意外な落とし穴を秘めていることも少なくない。経営者としては、新事業に挑むことの面白さや可能性を注目しがちだが、担当者にとっては、今までの業務に加えて新たな責務が生じることで、作業負荷が増大するという問題が発生する。この作業負荷の増加により、直属の上司や顧客との調整が難しくなることもあり、職場での立場や評価に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、新事業創生が成功した後も、投資の回収という新たな責任が担当者にのしかかる。これは、リスクを避けて現状維持を望む担当者にとって、新しい挑戦を回避する理由となり得る。また、新事業に注力することで、既存の業務がおろそかになり、短期的な業績悪化につながることへの不安も担当者には存在する。これらの不安は、部門や個人の直近の成績に影響を及ぼし、モチベーションの低下を招く可能性がある。
新事業創生におけるこれらの課題は、従業員の積極性と創造性を削ぎ、組織全体の前進を妨げる要因となり得る。これを防ぐためには、以下のような対策が考えられる。
- 業務負荷の適正化: 新事業創生を担当する従業員を既存業務から切り離し、過剰な負担をかけないように管理
- リスクと報酬の明確化: 新事業へのチャレンジに対するインセンティブを設けるとともに、失敗するリスクを取ることへの抵抗感を低減する策を講じる
- 透明なコミュニケーション: 新事業創生のプロセスと成果について全社員に開示し、プロジェクトへの理解と信頼を深める
ぜひ新事業創生への社員のモチベーションを引き上げて、自社の事業変革を進めていただきたい。
